今日、城下町で夏物の着物処分の特売が行われたらしい。
城から町を見下ろすと、道という道に女たちがひしめき合い、店という店に群がっていた。
その群れの中に、姉上と嫁ぎ先の姑が見えたのは気のせいだっただろうか。
しかし、隣で同じく町を見下ろしていた殿も、
「あの人、よりあにのお姉さんだ」
と言っていたので、間違いないだろう。
姉上は、相変わらずこういう類の買い物に目がないらしい。
しかし、姑と買い物に行けるということは、仲が良い証拠とも言える。
うまくやっている様子を見られて、俺はらしくもなく安堵を覚えた。
「あれは楽しいところなのか」と訊く殿様の御ため、俺は特売について教えて差し上げた。
頷きながら聞いていた殿は、
「なるほどね。確かに、有名な武将の首がものすごく簡単に獲れそうだったら、僕だって飛びついてしまうね」
殿、お気持ちは分かりますが、例えが血生臭いです。
城から町を見下ろすと、道という道に女たちがひしめき合い、店という店に群がっていた。
その群れの中に、姉上と嫁ぎ先の姑が見えたのは気のせいだっただろうか。
しかし、隣で同じく町を見下ろしていた殿も、
「あの人、よりあにのお姉さんだ」
と言っていたので、間違いないだろう。
姉上は、相変わらずこういう類の買い物に目がないらしい。
しかし、姑と買い物に行けるということは、仲が良い証拠とも言える。
うまくやっている様子を見られて、俺はらしくもなく安堵を覚えた。
「あれは楽しいところなのか」と訊く殿様の御ため、俺は特売について教えて差し上げた。
頷きながら聞いていた殿は、
「なるほどね。確かに、有名な武将の首がものすごく簡単に獲れそうだったら、僕だって飛びついてしまうね」
殿、お気持ちは分かりますが、例えが血生臭いです。
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