殿はいつも、夕食前に風呂に入る。
たいてい30分ほどで出てくるのだが、今日は50分経っても部屋に戻ってこなかった。
背中を流すための付き人がいるので、ひとり風呂の中でのぼせ上がっていることはないだろうが、殿様の御ため、俺は湯殿に様子を見に行った。
すると、丁度殿が湯殿から出てきた。
「遅いので、様子を見に参りました」
俺がそう言うと、殿は、
「ごめん、今日はキジ馬を風呂に入れる日だったんだ」
確かに、殿と戸の間から、いい加減に茹で上がったようなキジ馬が出てきた。
「きれいになっただろ」
キジ馬を抱き上げ、殿は嬉しそうに笑った。
部屋に戻る道すがら、今日の夕餉は栗飯ですよ、と言うと、殿はさらに嬉しそうな顔をした。
たいてい30分ほどで出てくるのだが、今日は50分経っても部屋に戻ってこなかった。
背中を流すための付き人がいるので、ひとり風呂の中でのぼせ上がっていることはないだろうが、殿様の御ため、俺は湯殿に様子を見に行った。
すると、丁度殿が湯殿から出てきた。
「遅いので、様子を見に参りました」
俺がそう言うと、殿は、
「ごめん、今日はキジ馬を風呂に入れる日だったんだ」
確かに、殿と戸の間から、いい加減に茹で上がったようなキジ馬が出てきた。
「きれいになっただろ」
キジ馬を抱き上げ、殿は嬉しそうに笑った。
部屋に戻る道すがら、今日の夕餉は栗飯ですよ、と言うと、殿はさらに嬉しそうな顔をした。
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