案の定、昨夜は大広間で大宴会が催された。
酒豪の大名2人が主役の宴会であるから、酒は山ほど支度されていた。
飯田覚兵衛をはじめ清正の側近の家臣たちが集まり、無礼講のような雰囲気で皆浴びるように飲んでいた。
俺が酒を飲めないことを清正は知っているので、俺の膳には茶が置かれ、俺はもっぱらそれを飲んでいた。
さて、あの食い意地の張った殿である。
酒のみならず、料理にも特別な興味を示していた。
相良の領国に海がないことを気遣ってか、料理のほとんどは海の幸であったので、その関心は並ではない。
くにで出される魚と言えば、城の前の球磨川で捕れる鮎をはじめとした川魚が精々である。
そのような理由もあって、小鯛の塩焼きには美味さに歓声をあげていた。
書き遅れたが、殿が喜ぶ度に清正の機嫌がより良くなるのは、書くと追いつかなくなるほど頻繁であるので、ここでは割愛する。
殿がなんでも美味そうに食べる反面、俺にはどうしても生魚は受け付けられなかった。
刺身よりも、それに添えてあるしそのほうが美味かった。
だが、清正が見ている手前、無理矢理ねじこんで片付けた。
初日から清正の機嫌を損ねかねないような真似をして、殿の足を引っ張ってはならない。
それが殿様の御ためと思ったのだ。
夜も更け、日付が変わった頃に宴会はお開きとなった。
清正が「今夜はこれまで」と言ったからではない。
皆泥酔して酔い潰れ、清正までもが酔っ払って眠ってしまったからである。
もちろん、清正が酔い潰れるほどの酒に付き合った殿も例外ではない。
俺は清正と殿を部屋に運んだ。
清正の家臣連中は、城の者が手分けしてそれぞれの部屋に運んでいた。
俺は殿を布団に寝かせ、自分の布団に入った。
横の殿を見ると、殿は幸せそうな顔をして眠っていた。
ちなみに、今日は清正も家臣連中も殿も昼過ぎまで寝ていたので、城の見学も詳しい近況報告もできなかった。
仕方がないので、俺は殿様の御ために台所から湯呑みに水をもらって来、それを机の上に準備して、殿が目を覚ますのを待っていた。
途方もない時間であった。
酒豪の大名2人が主役の宴会であるから、酒は山ほど支度されていた。
飯田覚兵衛をはじめ清正の側近の家臣たちが集まり、無礼講のような雰囲気で皆浴びるように飲んでいた。
俺が酒を飲めないことを清正は知っているので、俺の膳には茶が置かれ、俺はもっぱらそれを飲んでいた。
さて、あの食い意地の張った殿である。
酒のみならず、料理にも特別な興味を示していた。
相良の領国に海がないことを気遣ってか、料理のほとんどは海の幸であったので、その関心は並ではない。
くにで出される魚と言えば、城の前の球磨川で捕れる鮎をはじめとした川魚が精々である。
そのような理由もあって、小鯛の塩焼きには美味さに歓声をあげていた。
書き遅れたが、殿が喜ぶ度に清正の機嫌がより良くなるのは、書くと追いつかなくなるほど頻繁であるので、ここでは割愛する。
殿がなんでも美味そうに食べる反面、俺にはどうしても生魚は受け付けられなかった。
刺身よりも、それに添えてあるしそのほうが美味かった。
だが、清正が見ている手前、無理矢理ねじこんで片付けた。
初日から清正の機嫌を損ねかねないような真似をして、殿の足を引っ張ってはならない。
それが殿様の御ためと思ったのだ。
夜も更け、日付が変わった頃に宴会はお開きとなった。
清正が「今夜はこれまで」と言ったからではない。
皆泥酔して酔い潰れ、清正までもが酔っ払って眠ってしまったからである。
もちろん、清正が酔い潰れるほどの酒に付き合った殿も例外ではない。
俺は清正と殿を部屋に運んだ。
清正の家臣連中は、城の者が手分けしてそれぞれの部屋に運んでいた。
俺は殿を布団に寝かせ、自分の布団に入った。
横の殿を見ると、殿は幸せそうな顔をして眠っていた。
ちなみに、今日は清正も家臣連中も殿も昼過ぎまで寝ていたので、城の見学も詳しい近況報告もできなかった。
仕方がないので、俺は殿様の御ために台所から湯呑みに水をもらって来、それを机の上に準備して、殿が目を覚ますのを待っていた。
途方もない時間であった。
PR
COMMENT