午後、部屋の物入れを漁っていた殿は鏡を取り出した。
突如として自我に目覚めたのかと思ったが、それは俺の勘違いで、殿は鏡をキジ馬の前に置いた。
前触れもなく現れたもう1頭のキジ馬に、殿のキジ馬は興味津々に見入っていた。
そして徐々に近づいてみると、相手も同じように近づいてくる。
右に行けば右へ、左へ行けば左に動く。
「きゅ~?」
キジ馬は不思議そうに首…頭をかしげた。
その様子を眺めていた殿は、
「可愛いなぁ~」
と愛おしそうに笑っていた。
どうやら殿は、キジ馬のこの様子を見たいがためにわざわざ鏡を探し出したようだ。
こうやって殿が仕事を怠けているにもかかわらず、俺はなにも言わなかった。
なぜなら、かつて俺も幼い殿に鏡を見せ、遊んだことがあるからだ。
そして、殿もキジ馬と同じ反応を示した。
この事実は殿に告げるべきではない。
殿様の御ため、かつ俺の身のため、俺は素知らぬ振りをして仕事を進めた。
それにしても、人は似たようなことを考えるものだ。
突如として自我に目覚めたのかと思ったが、それは俺の勘違いで、殿は鏡をキジ馬の前に置いた。
前触れもなく現れたもう1頭のキジ馬に、殿のキジ馬は興味津々に見入っていた。
そして徐々に近づいてみると、相手も同じように近づいてくる。
右に行けば右へ、左へ行けば左に動く。
「きゅ~?」
キジ馬は不思議そうに首…頭をかしげた。
その様子を眺めていた殿は、
「可愛いなぁ~」
と愛おしそうに笑っていた。
どうやら殿は、キジ馬のこの様子を見たいがためにわざわざ鏡を探し出したようだ。
こうやって殿が仕事を怠けているにもかかわらず、俺はなにも言わなかった。
なぜなら、かつて俺も幼い殿に鏡を見せ、遊んだことがあるからだ。
そして、殿もキジ馬と同じ反応を示した。
この事実は殿に告げるべきではない。
殿様の御ため、かつ俺の身のため、俺は素知らぬ振りをして仕事を進めた。
それにしても、人は似たようなことを考えるものだ。
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