今日は休日だったので、1日掛けて深水頼蔵の良いところを考えた。
午前中にひとつ、夕方にひとつ思いついたが、あとひとつが未だに思い浮かばない。
休みなく考えていると、良いところではなく「なぜ奴が嫌いなのか」について考え始めていた。
あのすました顔。
兵法の未熟さ。
さらに、奴の叔父である深水長智が俺を相良家の執政職に推してくれたにも関わらず、俺が深水一門でないことだけで深水一族の反対を受け、結局頼蔵と合議制の補佐役になってしまったこと。
なにしろ頭の回転が良いので、なにを言っても直ちに切り返してくることもまた然りである。
こんなことを延々と思い連ねていると、気分が鬱屈としてきたので、俺は気分転換に台所へ茶を貰いに行くことにした。
すると、運の悪いことに頼蔵が台所にいた。
茶を飲みながら、女中2人と雑談をしていた。
「や、頼兄殿。一緒にどうですか」
俺に気が付いた頼蔵が雑談に誘ったが、俺は断った。
「たまには娘さんと話をして、息抜きすればいいのに…それに」
頼蔵は俺に近寄った。
「娘好みの話題を知っておかないと、家柄を利用して嫁を貰っても愛想を尽かされますよ」
殿が、俺と頼蔵の仲の悪さを気に掛けていることは知っている。
しかし、いくら殿様の御ためと言えど、こいつだけは腹が立つし好きになれないのである。
午前中にひとつ、夕方にひとつ思いついたが、あとひとつが未だに思い浮かばない。
休みなく考えていると、良いところではなく「なぜ奴が嫌いなのか」について考え始めていた。
あのすました顔。
兵法の未熟さ。
さらに、奴の叔父である深水長智が俺を相良家の執政職に推してくれたにも関わらず、俺が深水一門でないことだけで深水一族の反対を受け、結局頼蔵と合議制の補佐役になってしまったこと。
なにしろ頭の回転が良いので、なにを言っても直ちに切り返してくることもまた然りである。
こんなことを延々と思い連ねていると、気分が鬱屈としてきたので、俺は気分転換に台所へ茶を貰いに行くことにした。
すると、運の悪いことに頼蔵が台所にいた。
茶を飲みながら、女中2人と雑談をしていた。
「や、頼兄殿。一緒にどうですか」
俺に気が付いた頼蔵が雑談に誘ったが、俺は断った。
「たまには娘さんと話をして、息抜きすればいいのに…それに」
頼蔵は俺に近寄った。
「娘好みの話題を知っておかないと、家柄を利用して嫁を貰っても愛想を尽かされますよ」
殿が、俺と頼蔵の仲の悪さを気に掛けていることは知っている。
しかし、いくら殿様の御ためと言えど、こいつだけは腹が立つし好きになれないのである。
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