今日、殿は城下町に出掛けた。
俺は護衛兼監視係としてお供した。
市や町家をまわったあと、農家の畑の前に来たとき、
「よりあに、茄子がなってるよ」
と、殿が言った。
殿はまじまじと実を見て、もうすぐ採れそうだ、と笑った。
根っからの武家の生まれであるから、畑仕事などしたことがないし、もちろんやらせたこともない。
かつて、殿の兄と畑を視察したことがあるが、「茄子はこうやってできるのか」とむしろ感心していた。
どうしてそんなことが分かるのか、と俺は訊いてみた。
すると殿は、
「島津さん家に行っていたとき、義弘さんが毎年育てていて、教えてくれたんだよ」
と笑顔のまま答えた。
なにやってんだ義弘。
「僕もいっしょにやらせてもらったけど、楽しかったなぁ」
向こうでなにやっていたんですか殿。
まぁ、いい。
なにも知らないよりは、なにかを知っていたほうがいい。
殿様の御ためであれば、法や政治、剣術に限らず、雑学全般をも授けるよう心がけよう。
俺は護衛兼監視係としてお供した。
市や町家をまわったあと、農家の畑の前に来たとき、
「よりあに、茄子がなってるよ」
と、殿が言った。
殿はまじまじと実を見て、もうすぐ採れそうだ、と笑った。
根っからの武家の生まれであるから、畑仕事などしたことがないし、もちろんやらせたこともない。
かつて、殿の兄と畑を視察したことがあるが、「茄子はこうやってできるのか」とむしろ感心していた。
どうしてそんなことが分かるのか、と俺は訊いてみた。
すると殿は、
「島津さん家に行っていたとき、義弘さんが毎年育てていて、教えてくれたんだよ」
と笑顔のまま答えた。
なにやってんだ義弘。
「僕もいっしょにやらせてもらったけど、楽しかったなぁ」
向こうでなにやっていたんですか殿。
まぁ、いい。
なにも知らないよりは、なにかを知っていたほうがいい。
殿様の御ためであれば、法や政治、剣術に限らず、雑学全般をも授けるよう心がけよう。
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