先月半ばに日記を1日書いてから、再び書けない日々が続いていた。
今年最後の1ヶ月くらいは、忙しくとも記していきたいと思う。
さて。
月初めの恒例と言えば、深水頼蔵による会計調査である。
師走の今月も、奴はやってきた。
「さすがに先月は忙しかったので、出費もキジ馬の食費半頭分に減りましたか」
相変わらずの笑顔で奴はそう言った。
俺が適当に聞き流していると、
「そう言えば、頼兄殿。ご存知ですか」
頼蔵がなにかを思いついた。
「『くりすます』では、大事な人に贈り物をするしきたりだそうですよ」
「俺は切支丹ではないから、そんなことはしない」
頼蔵の言を一蹴すると、奴は俺を見て小さく笑った。
「あなたのことだ。くりすますと言わずとも、なんやかやと理由をつけて、休みには可愛い甥っ子や姪っ子になにかあげるつもりなのではないですか?現に、もうお年玉の準備は始めているとか?」
図星だった。
俺はただ「うるさい」としか反論できず、頼蔵に会計書類を押し付け、部屋から追い出した。
ようやく邪魔者がいなくなった、とふと辺りを見回すと、炬燵布団の中に動くものがあった。
もしやと思いつつ布団をめくると、やはり殿のキジ馬だった。
近頃寒いからか、気が付くとよく俺の炬燵に入り込んでいる。
殿様の御ため、俺はキジ馬を予備の襟巻きにくるみ、抱えて殿の部屋に連れて行った。
今年最後の1ヶ月くらいは、忙しくとも記していきたいと思う。
さて。
月初めの恒例と言えば、深水頼蔵による会計調査である。
師走の今月も、奴はやってきた。
「さすがに先月は忙しかったので、出費もキジ馬の食費半頭分に減りましたか」
相変わらずの笑顔で奴はそう言った。
俺が適当に聞き流していると、
「そう言えば、頼兄殿。ご存知ですか」
頼蔵がなにかを思いついた。
「『くりすます』では、大事な人に贈り物をするしきたりだそうですよ」
「俺は切支丹ではないから、そんなことはしない」
頼蔵の言を一蹴すると、奴は俺を見て小さく笑った。
「あなたのことだ。くりすますと言わずとも、なんやかやと理由をつけて、休みには可愛い甥っ子や姪っ子になにかあげるつもりなのではないですか?現に、もうお年玉の準備は始めているとか?」
図星だった。
俺はただ「うるさい」としか反論できず、頼蔵に会計書類を押し付け、部屋から追い出した。
ようやく邪魔者がいなくなった、とふと辺りを見回すと、炬燵布団の中に動くものがあった。
もしやと思いつつ布団をめくると、やはり殿のキジ馬だった。
近頃寒いからか、気が付くとよく俺の炬燵に入り込んでいる。
殿様の御ため、俺はキジ馬を予備の襟巻きにくるみ、抱えて殿の部屋に連れて行った。
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