今日は久し振りによく晴れ、先週から洗濯に出していた襟巻きがまとめて手元に返ってきた。
「そろそろ田植えの準備をする時期だね」
米の好きな殿は、外を眺めて嬉しそうにそう言った。
米と言ってもそれは単に食糧となるだけではなく、経済の基盤をなすものである。
したがって、米を多く収穫できる土地ほど大きな経済力を得られる。
この球磨の地は稲をよく育てるが、言うまでもなく、殿の頭には食い物としての米しかない。
「今年も美味しい米がたくさんとれたらいいなあ」
殿は早くも涎の出そうな顔をしていた。
どんな形であれ一国の主が豊作を願うことは大切なことであり、また、今年は川の堤防工事に着工し治水事業を進めるので、現実の面でも農民を援助することができる。
俺は殿様の御ため、
「では、青井神社に豊作を祈願しに参りましょうか」
と提案した。
青井阿蘇神社は相良家と縁深く、球磨びとが最も尊敬し親しんできた神社である。
その上、頼みごとをすれば必ず叶えてくれると信頼も厚い。
「いいね、行こう」
殿は頷くや否や支度を始めた。
俺は殿と並んで豊作祈願をしながら、殿様の御ためがこれからも成就してゆくように、と願った。
「そろそろ田植えの準備をする時期だね」
米の好きな殿は、外を眺めて嬉しそうにそう言った。
米と言ってもそれは単に食糧となるだけではなく、経済の基盤をなすものである。
したがって、米を多く収穫できる土地ほど大きな経済力を得られる。
この球磨の地は稲をよく育てるが、言うまでもなく、殿の頭には食い物としての米しかない。
「今年も美味しい米がたくさんとれたらいいなあ」
殿は早くも涎の出そうな顔をしていた。
どんな形であれ一国の主が豊作を願うことは大切なことであり、また、今年は川の堤防工事に着工し治水事業を進めるので、現実の面でも農民を援助することができる。
俺は殿様の御ため、
「では、青井神社に豊作を祈願しに参りましょうか」
と提案した。
青井阿蘇神社は相良家と縁深く、球磨びとが最も尊敬し親しんできた神社である。
その上、頼みごとをすれば必ず叶えてくれると信頼も厚い。
「いいね、行こう」
殿は頷くや否や支度を始めた。
俺は殿と並んで豊作祈願をしながら、殿様の御ためがこれからも成就してゆくように、と願った。
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