今日日記を開いてみて初めて、一昨日から2年目に入っていたことに気が付いた。
上井覚兼風情が書くならばと書き始め、そして実際に覚兼に会うこともあった。
この1年の間に様々な人に会い、様々な殿様の御ためを行ってきたものだと改めて感じ入る。
さて、今日は七夕であった。
去年と同じように、今年も短冊に各々の願い事を書き、梅おろしの入った素麺が用意された。
ただ、異なることと言えば島津義弘がいることである。
周囲が宴会をしているさなか、好奇心で彼の短冊を見てみると、そこには「加藤清正に会いたい」と書かれていた。
「薩摩で書いたら、きっと兄貴がうるさいだろうからな。清正みてぇな強いやつに会いたいと思って、なにが悪いんだろうな」
義弘はそう言って、自分で収穫した茄子の煮付けを食っていた。
「よりあには、なんて書いたの」
殿はほろ酔いの顔色で、短冊の内容を訊ねた。
「相良家繁栄、と書きました」
俺の答えに殿は「そうか」と頷き、
「でも、それくらいならよりあにが自分で叶えちゃいそうだよね。お願いするまでもなく」
と、愛想よく笑った。
「殿様の御ため、ご期待に応えて参りましょう」
いつの間にか、離れたところで、島津義弘が2杯目の素麺を要求していた。
上井覚兼風情が書くならばと書き始め、そして実際に覚兼に会うこともあった。
この1年の間に様々な人に会い、様々な殿様の御ためを行ってきたものだと改めて感じ入る。
さて、今日は七夕であった。
去年と同じように、今年も短冊に各々の願い事を書き、梅おろしの入った素麺が用意された。
ただ、異なることと言えば島津義弘がいることである。
周囲が宴会をしているさなか、好奇心で彼の短冊を見てみると、そこには「加藤清正に会いたい」と書かれていた。
「薩摩で書いたら、きっと兄貴がうるさいだろうからな。清正みてぇな強いやつに会いたいと思って、なにが悪いんだろうな」
義弘はそう言って、自分で収穫した茄子の煮付けを食っていた。
「よりあには、なんて書いたの」
殿はほろ酔いの顔色で、短冊の内容を訊ねた。
「相良家繁栄、と書きました」
俺の答えに殿は「そうか」と頷き、
「でも、それくらいならよりあにが自分で叶えちゃいそうだよね。お願いするまでもなく」
と、愛想よく笑った。
「殿様の御ため、ご期待に応えて参りましょう」
いつの間にか、離れたところで、島津義弘が2杯目の素麺を要求していた。
PR
COMMENT