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  <title type="text">犬童頼兄日記</title>
  <subtitle type="html">マイナー武将のメジャー家老・犬童頼兄による日記。
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  <updated>2008-07-05T14:44:02+09:00</updated>
  <author><name>犬童頼兄</name></author>
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    <published>2009-12-31T17:43:29+09:00</published> 
    <updated>2009-12-31T17:43:29+09:00</updated> 
    <category term="日記" label="日記" />
    <title>2年目12月31日</title>
    <content mode="escaped" type="text/html" xml:lang="utf-8"> 
      <![CDATA[いよいよ年の瀬である。<br />
夜の間に雪が降ったものの、正午以降はよく晴れ、1年を終える日としては上々の風情であった。<br />
越年だと言うのに島津義弘は帰国しないらしく、それどころか薩摩産の生鰤2本が城に届けられた。<br />
言うまでもなく、殿は大喜びである。<br />
「すごい！立派な鰤だなぁ」<br />
食い入るように送る熱い視線は、まさに感動の眼差しと言って相違ない。<br />
加藤清正が見れば、きっと2尾3尾ほど追加で寄越すであろう(笑)。<br />
かくして、今日は島津義弘が捌いた鰤を生で食い焼いて食い煮て食い、大晦日の昼下がりを皆で大いに飲んだくれて過ごした。<br />
そして、夕刻になって実家に帰省した。<br />
昨年と同じく、途中でみかんを買い、今年最後の夕日を眺めながら帰った。<br />
今年もお家にとって難儀な1年であったが、殿のご健勝、並びにお家の存続が継続されただけ素晴らしい1年であったと言えよう。<br />
来年もまた慌ただしい年になりそうであるが、殿様の御ため、今年のように地道な努力を続けようと思った。]]> 
    </content>
    <author>
            <name>犬童頼兄</name>
        </author>
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    <published>2009-11-23T23:57:08+09:00</published> 
    <updated>2009-11-23T23:57:08+09:00</updated> 
    <category term="日記" label="日記" />
    <title>2年目11月23日</title>
    <content mode="escaped" type="text/html" xml:lang="utf-8"> 
      <![CDATA[昨日の「良い夫婦の日」に引き続き、今日は勤労感謝の日だった。<br />
そのため、堤防工事も今日ばかりは休暇とし、工夫たちを休ませることにした。<br />
城勤めの家臣らも休日となり、屋敷で休む者、連れ立って領内に狩りに出掛ける者、様々だった。<br />
「お前はどこにも行かないのか？」<br />
島津義弘が二の丸で猫を集めていたので、近寄ると彼はそう言った。<br />
「そう易々と、殿のお側を離れるわけには参りませんので」<br />
「真面目なんだなぁ」<br />
義弘が猫を撫でてやると、猫は気持ち良さそうな声を出した。<br />
「義弘殿は猫がお好きなのですか」<br />
「あぁ、好きだよ。可愛いじゃねぇか」<br />
薩摩の屋敷でも飼いたいらしいが、兄が許さないようで、仕方なく外出時に野良猫に構っているようだ。<br />
「それに、猫の目をよく見たら時間が分かるんだぜ。だから、たまに戦に連れてったりするんだ」<br />
「それは良いですね。雨の日でも時刻が分かるとは便利です」<br />
そうして、今日は島津義弘に猫を使った有意義なことを教わった。<br />
夜、早速猫を数匹部屋に集め、教わった通りに見てみると、確かに瞳孔の具合から時刻を見て取れた。<br />
部屋の前を通り掛かった深水頼蔵は、覗き込んで<br />
「にゃあにゃあ聞こえると思ったら。こんなに集めてどうしたのですか」<br />
と笑っていた。<br />
「これも<strong>殿様の御ため</strong>だ」<br />
そう言って猫を外に帰そうとすると、いつの間にか猫が皆炬燵の中に入り込んでいた。<br />
「これがどのようにして殿のお役に立つのか存じませんが、とりあえず明日のあなたのめざしが無くなりましたね」<br />
頼蔵の言う通り、明日は猫にえさを与えてから帰そうと思う。]]> 
    </content>
    <author>
            <name>犬童頼兄</name>
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    <published>2009-11-22T23:50:24+09:00</published> 
    <updated>2009-11-22T23:50:24+09:00</updated> 
    <category term="日記" label="日記" />
    <title>2年目11月22日</title>
    <content mode="escaped" type="text/html" xml:lang="utf-8"> 
      <![CDATA[ここ数日、殿は誰かと連絡を取っていた様子だった。<br />
雑務ならば俺が代わると言っても、頑なに「僕がやるから」と言って聞かない。<br />
まだ島津義弘が居ると言うのに、加藤清正と書状を交わしていたならばただ事ではない。<br />
せめて相手が誰なのかを訊こうと思ったが、筆を動かす様のその軽やかさを見ていると、穏やかならぬものではないと伝わってきた。<br />
「今朝、殿が私たちにこれをくれたのですよ」<br />
用あって了心様の部屋に伺ったとき、そう言って小袋を差し出された。<br />
良い香りがする。<br />
「これは五木の茶葉ですね」<br />
「今日は良い夫婦の日だそうで。あの人ともども、これをよくいただいておりました」<br />
了心様は懐かしそうに目を細めた。<br />
「殿は覚えておいでだったのですね」<br />
息子の思いやりに感動してか、母君の睫毛は濡れていた。<br />
殿も粋なことをする。<br />
幾日も掛けて自ら五木の茶職人に掛け合い、両親に対する尊敬を精一杯表現しようとした。<br />
「今日は1杯だけいただいて、次はあの人の命日に2杯淹れ、今年1年の報告をしながら一緒にいただこうと思っています」<br />
了心様は小袋を掌で優しく包んだ。<br />
「あなたの遺した息子は、優しくも頼もしい、相良家の立派な殿になっております、と」<br />
夕刻、二の丸で猫と戯れている島津義弘を見つけた。<br />
「へえ、あいつもやるなぁ。にしても、女って大変だな。男は戦に出ても自分が頑張ればなんとかなるけどさ、女は旦那が生きて帰るかどうかも、旦那が死んだときの自分の今後のことも、自分ではどうこうできないんだぜ」<br />
「ですから、我々はそれこそ死に物狂いで生きて帰ろうとするのでしょう」<br />
「あぁそうか！お前、よく分かってんだなぁ。もしかしてバツイチか？」<br />
この寒い最中に散々な言われようである。<br />
「違います。冷え込んで参りましたので、そろそろ中にお入りください」<br />
俺が戦場からどうしても生きて帰りたいと思うのは、一途に<strong>殿様の御ため</strong>である。<br />
殿の補佐役を仰せ付かった以上、殿の許しもなく野に死すことは紛れも無く大罪なのである。]]> 
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    <author>
            <name>犬童頼兄</name>
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    <published>2009-10-07T19:19:23+09:00</published> 
    <updated>2009-10-07T19:19:23+09:00</updated> 
    <category term="日記" label="日記" />
    <title>2年目10月7日</title>
    <content mode="escaped" type="text/html" xml:lang="utf-8"> 
      <![CDATA[夕方頃から、徐々に風が強くなり始めた。<br />
秋と言えば嵐の季節、もしかすると今夜は大荒れになるのかも知れないと危惧していると、城下に住む空に詳しい者が城にやって来た。<br />
「確かに雨風は強くなっておりますが、厳重に対策を施さねばならぬほどではございません。しかし、空を見ます限り、薩摩のほうは荒れているように思われました」<br />
彼はそう言い、薩摩が荒れているだけに、こちらも領内の脆弱な箇所を保護したほうが安心であろう、と念のために対策を行うことを提案したようだ。<br />
俺は下の者からその話を聞き、今日は球磨川の工事を切り上げ、人夫たちに資材をまとめさせるよう命じた。<br />
「そいつ凄いな、空を見ただけでそこまで分かるのか」<br />
島津義弘は彼の能力に驚き、しきりに不思議がっていた。<br />
「薩摩じゃキジ馬が基準なんだ。キジ馬がいなくなったら嵐が来る、ってな」<br />
そう言いながら、義弘は偶然部屋にいた殿のキジ馬に薩摩揚げをかじらせた。<br />
義弘が城にやって来てから、キジ馬の肉付きが妙に良くなってきている。<br />
飼い主である<strong>殿様の御ため</strong>、<br />
「大変申し上げにくいのですが、キジ馬に薩摩揚げを与えるのは3日に1度、少量にしていただけますか。近頃肥って参りましたので」<br />
「なんだ、駄目か。こいつ雌なんだし、これくらいぽっちゃりしてるくらいが可愛いんだけどなあ」<br />
俺は唖然とした。<br />
殿のキジ馬は雌だったのか。<br />
<strong>知らなかった</strong>。]]> 
    </content>
    <author>
            <name>犬童頼兄</name>
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    <published>2009-10-01T23:53:07+09:00</published> 
    <updated>2009-10-01T23:53:07+09:00</updated> 
    <category term="日記" label="日記" />
    <title>2年目10月1日</title>
    <content mode="escaped" type="text/html" xml:lang="utf-8"> 
      <![CDATA[<p>先月は日記を開くことすら無くなっていただけに、2年目と記すのが憚られた。<br />
季節は秋へと移り変わったが、変わらず球磨川の工事は続いている。<br />
もちろん、島津義弘も人吉に滞在している。<br />
人吉に入る秋刀魚が干し秋刀魚であることは知っていたようだが、実際に膳に干し秋刀魚が乗せられて運ばれてくると、若干物寂しげな顔をした。<br />
「義弘さんがお小遣いで食べさせてくれた生秋刀魚の塩焼き、美味しかったなあ」<br />
と、秋の涼やかな雨音を聞きながら、殿が懐かしそうに晩酌の盃を傾けた。<br />
大大名家の当主の弟が小遣い制、というのも訝しい話だが、子供の時分から食い意地が張っていた殿は、義弘に胃袋のほうも世話になっていたようだ。<br />
「あ、それに加藤さんとこの辛子蓮根とか、大阪城で出たすごく豪華な料理も美味しかったなあ」<br />
油断していた俺が殿の口を塞いだのは、すべてを言い切ってからであった。<br />
「殿、軽率な発言はお止めください」<br />
壁に耳あり、障子に目あり。<br />
いつどこで、義弘やその供の者が聞いているやも知れないのである。<br />
しかし、焦る俺とは対照的に、殿は冷静な目でこう言った。<br />
「聞かれていたら聞かれていたで、その時は加藤さんが出てきてくれる。秀吉さんの目があるだけに、加藤さんは僕との約束を破れるわけもないし、宇土にいる小西さんへの対抗心から出陣を渋るとは思えないよ。それに秀吉さんだって、北肥後に自分の子供みたいな武将をあえて置いているほど、九州、特に薩摩には手を焼いているんじゃないかな。早々に片付けてしまいたいはずだよ」<br />
殿は一息でそう言ってしまうと、持っていた盃を干した。<br />
俺にはその目に、どこか義陽公の面影があるように思われて仕方なかった。<br />
まだ子供の気が抜けず、大層な事柄など考えているようには見えない殿であるが、人の性質を見抜き、それを利用せんとする。<br />
この人なら、将来大事を成すに違いない。<br />
この<strong>殿様の御ため</strong>ならば、俺は生涯付き従っても悔いなど無い。</p>]]> 
    </content>
    <author>
            <name>犬童頼兄</name>
        </author>
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    <id>yorierimaki.blog.shinobi.jp://entry/197</id>
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    <published>2009-08-16T17:42:50+09:00</published> 
    <updated>2009-08-16T17:42:50+09:00</updated> 
    <category term="日記" label="日記" />
    <title>2年目8月16日</title>
    <content mode="escaped" type="text/html" xml:lang="utf-8"> 
      <![CDATA[盆も終わりが近づき、里帰りしていた者たちが続々と城に帰ってきている。<br />
島津義弘も帰省、と言うよりも兄により薩摩へ強制送還されていたが、それもそろそろこちらにやって来る頃であろう。<br />
俺は昨日1日休みをいただき、実家に戻って先祖の墓参りをした。<br />
ちょうど姉上と子供達も帰っていたので、父上は何時に無く上機嫌であった。<br />
「ところで、義弘殿はどんな様子だ」<br />
酒の席に移り、二人になると、父はふと表情を引き締めた。<br />
「どのような様子かと申しますと&hellip;」<br />
俺は義弘がいた頃のことを回想した。<br />
しかし、思い付いたのはたったひとつのことであった。<br />
「日々、薩摩揚げを作り城中の者に食わせております」<br />
父は、摘もうとしていた漬物を箸から滑らせた。<br />
「工事には大して気を掛けていない様子で、兄がいない開放感のためか、精一杯羽を伸ばしております」<br />
「そうか、成程。だから時折、城から油のにおいがしておったのか」<br />
父は不快とも苦笑いともつかぬ顔をした。<br />
俺は酌をしながら、<br />
「<strong>殿様の御ため</strong>、まずは薩摩揚げの過食から殿をお守りすることが先決だと考えております」<br />
と、あの油気の多い食い物を思い浮かべた。<br />
「なんとも、島津の珍妙な戦法には毎度惑わされるものだ」<br />
捨てがまり、釣り野伏、薩摩揚げ。<br />
薩摩というくにを、初めて愉快なくにだと思った。]]> 
    </content>
    <author>
            <name>犬童頼兄</name>
        </author>
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    <id>yorierimaki.blog.shinobi.jp://entry/196</id>
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    <published>2009-07-07T22:53:14+09:00</published> 
    <updated>2009-07-07T22:53:14+09:00</updated> 
    <category term="日記" label="日記" />
    <title>2年目7月7日</title>
    <content mode="escaped" type="text/html" xml:lang="utf-8"> 
      <![CDATA[今日日記を開いてみて初めて、一昨日から2年目に入っていたことに気が付いた。<br />
上井覚兼風情が書くならばと書き始め、そして実際に覚兼に会うこともあった。<br />
この1年の間に様々な人に会い、様々な殿様の御ためを行ってきたものだと改めて感じ入る。<br />
さて、今日は七夕であった。<br />
去年と同じように、今年も短冊に各々の願い事を書き、梅おろしの入った素麺が用意された。<br />
ただ、異なることと言えば島津義弘がいることである。<br />
周囲が宴会をしているさなか、好奇心で彼の短冊を見てみると、そこには「加藤清正に会いたい」と書かれていた。<br />
「薩摩で書いたら、きっと兄貴がうるさいだろうからな。清正みてぇな強いやつに会いたいと思って、なにが悪いんだろうな」<br />
義弘はそう言って、自分で収穫した茄子の煮付けを食っていた。<br />
「よりあには、なんて書いたの」<br />
殿はほろ酔いの顔色で、短冊の内容を訊ねた。<br />
「相良家繁栄、と書きました」<br />
俺の答えに殿は「そうか」と頷き、<br />
「でも、それくらいならよりあにが自分で叶えちゃいそうだよね。お願いするまでもなく」<br />
と、愛想よく笑った。<br />
「殿様の御ため、ご期待に応えて参りましょう」<br />
いつの間にか、離れたところで、島津義弘が2杯目の素麺を要求していた。]]> 
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    <published>2009-06-30T03:30:30+09:00</published> 
    <updated>2009-06-30T03:30:30+09:00</updated> 
    <category term="日記" label="日記" />
    <title>1年目6月30日</title>
    <content mode="escaped" type="text/html" xml:lang="utf-8"> 
      <![CDATA[気に留めぬままに日が過ぎていた。<br />
その間に、島津義弘は二の丸に茄子の苗を植えていた。<br />
もうどうにでも好きなようにするといい。<br />
俺は、深水頼蔵が城下の商人から借りてきた金の残高や、人夫の賃金の確認に時間を使いたい。<br />
この作業が頼蔵との協同作業であるからには、早々に終わらせて普段の仕事に戻りたいのである。<br />
とは言っても、義弘の茄子が好きな殿様の御ためには、黙認せざるを得ないということもある。<br />
加えて、茄子ほどで指摘する狭量な家臣を見せ、殿に恥をかかせるわけにもいかない。<br />
このような気を遣うことのないよう、いつの日か相良のお家が薩摩を呑み込むことを切に願う。]]> 
    </content>
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    <published>2009-06-11T01:46:32+09:00</published> 
    <updated>2009-06-11T01:46:32+09:00</updated> 
    <category term="日記" label="日記" />
    <title>1年目6月11日</title>
    <content mode="escaped" type="text/html" xml:lang="utf-8"> 
      <![CDATA[島津義弘がうるさい。<br />
島津義弘がうるさい。<br />
島津義弘がうるさい。<br />
<br />
とうとう梅雨に入り、工事を思うように進められない時期になった。<br />
稲には雨が必要であるが、球磨川が過度に増水しない程度であればと願う。<br />
殿は義弘の接待だか遊びだか知らないが、変わらず毎日騒いでいる。<br />
確かに、島津家との関係が上手くいけばそれ以上のことはない。<br />
しかし、山のような仕事を放棄して接待に明け暮れられると困ったものだ。<br />
殿しか採決できない案件もあるのである。<br />
久々に日記を開いたにも関わらず、愚痴のようなことばかりを並べてしまった。<br />
ここは、俺が<strong>殿様の御ため</strong>に我慢するべきなのであろう。<br />
たとえ気に食わないことがあろうと、深水頼蔵に嫌味を5つ6つ言えば収まるものだ。]]> 
    </content>
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        </author>
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    <published>2009-05-16T23:56:41+09:00</published> 
    <updated>2009-05-16T23:56:41+09:00</updated> 
    <category term="日記" label="日記" />
    <title>1年目5月16日</title>
    <content mode="escaped" type="text/html" xml:lang="utf-8"> 
      <![CDATA[<p>殿の母君はここ数日願成寺に用事があったようだが、今日城に戻られたということで、早速椎葉の報告をするために部屋に伺った。<br />
「そうでしたか&hellip;それは残念です」<br />
あと一息で縁談が成立する間際に、政が絡んで話が打ち切られたことを了心尼は嘆いていた。<br />
「しかし、それも娘を想う親心が為したこと。どうか那須家を恨まぬよう」<br />
母君は、さすが子を持つ母らしく、那須家に同情さえ抱いている様子だった。<br />
「娘本人がまた来て欲しいと願っているのならば、時機を待って、また迎えに行ってもらえますか」<br />
「もちろんです。情勢を安定させ次第、必ず露袈裟殿をお迎えに参ります」<br />
そう言うと、了心様は安心したように微笑んだ。<br />
「ところで、義弘様は誠に島津家の方なのですか」<br />
よく意図がわからず意味を問うと、どうやら、先日義弘がわざわざ挨拶をしに部屋に訪ねてきたらしく、その振る舞いようが薩摩の名家の者とは思えなかったようである。<br />
「確かに言動は大らかですが、その性格ゆえに、殿にとっては島津家中のなかで最も付き合いやすい人物です」<br />
「左様でしたか。そのような方がこちらに来てくださると、殿も助かるでしょうね」<br />
まったくもってその通りである。<br />
こちらにとって動きやすい相手ならば、この難事もいくらか楽になるのである。<br />
<strong>殿様の御ため</strong>、これ以上島津の干渉が進まぬよう、お家の在り方にも強い堤防を作らねばならない。<br />
しかし、了心様と話している最中にも、障子を締め切っているにも関わらずやかましく聞こえてくる義弘の声だけは、どうにもならない。</p>]]> 
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            <name>犬童頼兄</name>
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